総力特集「本当に面白いフランス映画」 総力特集「本当に面白いフランス映画」

映画の歴史は、
フランスから始まった。

1895年にフランスでリュミエール兄弟が発明したシネマトグラフ、それが映画の始まりでした。
以来、トリック撮影やアニメーション、犯罪映画など、
世界に先駆けて新しい表現を開拓し続けているのがフランス映画です。

そして、フランスが生み出した多数の名作の中から、
映画評論でも知られるフランス文学者、中条省平氏が20作品を選出。
その厳選20作を、全作品、中条氏による解説文章付きで放送します。

専門家による選定と解説で、“本当に面白いフランス映画”を、どうぞお楽しみください。

全作品、中条省平の解説付き!

中条 省平(ちゅうじょう しょうへい)
中条 省平(ちゅうじょう しょうへい)

学習院大学文学部フランス文学科教授。パリ大学文学博士。
著書に『フランス映画史の誘惑』(集英社新書)、『映画作家論―リヴェットからホークスまで』(平凡社)、『クリント・イーストウッド―アメリカ映画史を再生する男』(朝日新聞社)など多数。

HDテレビ初放送5作品!毎月1本、HDテレビ初放送作品が登場する貴重なラインナップ。

7月放送作品

中条省平による解説全文は
こちらをご覧ください

7/4 23:15
『ラ・ジュテ』

パリが廃墟と化した近未来、少年期の記憶に取り憑かれた男がタイムトラベルをする。『12モンキーズ』の元ネタとなった短編で、ほぼ全編、静止画で構成したSF映画の傑作。

1962年 フランス

監督:クリス・マルケル

出演:エレーヌ・シャトラン/ジャック・ルドー

中条省平のここに注目!
過去と未来を旅するタイムトラベラー。その記憶をめぐる驚愕のミステリー。
一瞬だけ動く映像はどこに?

ラ・ジュテ

7/4 深夜0:00
『アデル、ブルーは熱い色 [R-15指定版]』

カンヌ映画祭史上初、監督とともに主演のアデル・エグザルコプロスとレア・セドゥにもパルムドールを贈った話題作。ブルーの髪の女性と恋に落ちたアデルの愛と情熱を描く。

2013年 フランス

監督:アブデラティフ・ケシシュ

出演:アデル・エグザルコプロス/レア・セドゥ

中条省平のここに注目!
カンヌ映画祭を揺るがした映画史上最も強烈な女性同士のラブシーンと、青い髪の女レア・セドゥの魅力。

アデル、ブルーは熱い色 [R-15指定版]

7/11 23:30
『女と男のいる舗道』

鬼才ゴダール監督の長編第4作で、アンナ・カリーナとのコンビ3作目。家庭を捨て、女優になる夢も破れ、娼婦に身を堕とした孤独な女性ナナの姿を12のエピソードで綴る。

1962年 フランス

監督:ジャン=リュック・ゴダール

出演:アンナ・カリーナ/サディ・レボ

中条省平のここに注目!
ゴダール監督の愛妻カリーナが演じる聖なる娼婦。
彼女の遍歴によって現代社会をクールかつリアルに描く名作。

女と男のいる舗道

7/11 深夜1:00
『なまいきシャルロット』

『死への逃避行』のクロード・ミレール監督が、シャルロット・ゲンズブールを主演に迎えた青春ドラマ。思春期を迎えた13歳の少女の揺れ動く感情を美しい映像と共に描く。

1985年 フランス

監督:クロード・ミレール

出演:シャルロット・ゲンズブール/ジャン=クロード・ブリアリ

中条省平のここに注目!
13歳の真実を描きだす少女、シャルロット・ゲンズブール。
彼女の身ぶり、顔つき、お喋り。すべてが奇跡だ。

なまいきシャルロット

8月放送作品

中条省平による解説全文は
こちらをご覧ください

8/8 23:00
『出発』

ポルシェを愛する青年の恋と大人への成長を詩的なタッチで描く青春映画。主演は『大人は判ってくれない』などヌーヴェル・ヴァーグを代表する俳優ジャン=ピエール・レオ。

1967年 ベルギー

監督:イエジー・スコリモフスキ

出演:ジャン=ピエール・レオ/カトリーヌ・イザベル・デュポール

中条省平のここに注目!
ヌーヴェル・ヴァーグの王子、J=P・レオに注目。
ナンセンスな笑いに哀しみが漂う青春映画の傑作。

出発

8/8 深夜0:45
『冒険者たち』

アラン・ドロン主演による青春レクイエムの名作。夢を追い求めて宝探しの冒険へと旅立った二人の男性と一人の女性の三角関係を詩情豊かに描く。監督はロベール・アンリコ。

1967年 フランス

監督:ロベール・アンリコ

出演:アラン・ドロン/リノ・ヴァンチュラ

中条省平のここに注目!
フランス映画ならではの名優トリオが描きだす心躍る冒険と恋愛の日々。
それは美しく哀しい青春の挽歌へと変わる。

冒険者たち

8/15 深夜0:00
『アメリ』

空想好きなヒロインが初めて恋をして自分の世界を見つけるまでをファンタジックに描いたロマンティックコメディ。監督は『天才スピヴェット』のジャン=ピエール・ジュネ。

2001年 フランス

監督:ジャン=ピエール・ジュネ

出演:オドレイ・トトゥ/マチュー・カソヴィッツ

中条省平のここに注目!
ちょっと変わった女の子が恋を求めて、美しいパリの街をさまよう。
ささやかな喜びを祝福する現代のおとぎ話。

アメリ

8/15 深夜2:10
『月世界旅行 [カラー復元版]』

“映画の父”ジョルジュ・メリエスによる映画史上初のSFと言われる『月世界旅行』。そのカラー着色版を、緻密な手作業と最新デジタル技術により復活させた、カラー復元版。

1902年 フランス

監督:ジョルジュ・メリエス

出演:ジョルジュ・メリエス/ジュアンヌ・ダルシー

中条省平のここに注目!
トリック撮影とSF映画はメリエスとともに始まった。
真の映画的表現を開発し、歴史を大きく変えた名作。

月世界旅行 [カラー復元版]

深夜2:35
「月世界旅行」放送に合わせ、監督のドキュメンタリーも放送
『メリエスの素晴らしき映画魔術』

“映画の父”ジョルジュ・メリエスの成功と挫折の人生と、『月世界旅行』の幻のカラー着色版のリストア作業の全工程に迫ったドキュメンタリー。

2011年 フランス

監督:セルジュ・ブロンベルグ/エリック・ランジュ

出演:コスタ=ガヴラス/ジャン=ピエール・ジュネ

メリエスの素晴らしき映画魔術

イラストコラム
おしゃれは、フランス映画が
教えてくれた

おしゃれの代名詞とも言えるフランス映画。あの頃の私たちは、そこからおしゃれを学びました。
ここでは、フランス映画が教えてくれたおしゃれについて、ご紹介します。

7月放送『なまいきシャルロット』より
シャルロットが教えてくれた、ボーダーシャツ

思春期を迎える13歳の少女が主人公の本作では、カリスマ歌手セルジュ・ゲンズブールと女優ジェーン・バーキンの娘シャルロット・ゲンズブールが主演に抜擢された。

ボーダーシャツ流行の原点

1985年12月にフランスで封切られた本作は、一躍“シャルロット旋風”を巻き起こす。街では、さりげない彼女のスタイルを真似する少女がたくさん現れた。今では定番となったボーダーの長袖Tシャツも、この映画で彼女が着ていたのが流行の原点。肩がずれ落ちそうな2サイズ大きめのボーダーシャツの袖を折り曲げ、華奢な手首がチラッと見えるような七分丈にし、デニムスカート、ホワイトスニーカーを合わせる、現代のノームコアの原点にもなるスタイル。この時着ていたボーダーシャツは、フランスの老舗ブランド 「オーシバル」のものだ。

由諸あるブランド「オーシバル」

フランスのボーダーシャツを代表するブランドにはセイントジェームス、オーシバルの二つがある。青いミツバチのマークでおなじみのオーシバルは1939年にフランスのリヨンでチャールズ・バトンが創立したブランドで、ブランド名はフランス中部にある小さな村から名付けられた。50年代から60年代にかけてフランス海軍の制服に起用され、ピカソなどにも愛されたことで有名になったオーシバルのボーダーシャツは、ラッセル編みという普通のカットソーよりも複雑な構造で作られた生地で、毎日洗濯してもへこたれない、丈夫な生地でワークウェアとしてフランスで愛されている。

日本の少女を魅了したシャルロット

インパクトのあるアイテムというより、どこにでもありそうなスタンダードなアイテムをサイズやディテールで魅せる「チープシック」な着こなしで、シャルロットは、日本でも雑誌「オリーブ」を読む女の子たちにとってのアイドルになる。ファッションだけでなく、この映画で彼女が演じたキャラクターそのものが、今なお多くの少女の共感を呼んでいる。

原題の“L‘Effrontée”は「なまいきな女の子」という意味。もう子供じゃない。でも大人でもない。その境界線にきた少女の不安感をこれほど繊細に画面に現した女の子は、今までいなかった。どこにでもいそうでいながら、特別な雰囲気を醸し出すシャルロットの魅力。あの頃の私たちは、彼女の着たボーダーシャツを真似することで、少しでもその魅力に近づこうとしていた。
*イマジカBSにて、放送版もお楽しみいただけます。

イラストレーター:Aiko Fukuda

1986年千葉生まれ。ブリッジウォーター州立大学芸術学部グラフィックデザイン学科卒業。
帰国後グラフィックデザイナーなど働く傍ら、趣味で点描画を描き始める。
2014年よりイラストレーターとして活動を本格化させ、一本のペンで描かれる繊細かつ独特な世界観でファッション誌や広告、美術館背景などで起用される。
AIKO FUKUDA [http://www.aikofukuda.com/]