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【特集「イタリア映画の至宝~クリスタルディ・コレクション~」】「フェリーニのアマルコルド [4Kレストア版]」

 

タイトルはフェリーニの生まれ故郷リミニの方言で「私は覚えている」を意味する”A m’arcord”に由来する。この映画をきっかけに、郷愁や過去の思い出を意味する慣用句に転じて、辞典にも掲載されるようになった。

 

そのタイトルが示す通り、本作ではフェリーニが故郷で過ごした少年時代の記憶をもとに、彼特有の彩り豊かな夢世界を構築している。そこに出現するのは、奇妙な住人たちと懐かしい思い出の数々。綿毛の舞う春、町のマドンナ、木の上で叫ぶ叔父さん、横暴なファシストたち……。滑稽さ、狂気、甘酸っぱい青春までをも内包した、フェリーニの記憶の中の一年がそこにある。

 

個性豊かな登場人物たちの中でも核となるのが、青年時代のフェリーニを思わせるティッタ・ビオンディとその一家。ティッタを演じるブルーノ・ザニンは、撮影所のあるチネチッタで偶然フェリーニと知り合い、俳優経験のないまま主役に抜擢された。「8 1/2」では名優マルチェロ・マストロヤンニに、自分の分身である映画監督を演じさせたフェリーニだが、本作では幼少期に性的虐待を受けた素人俳優に自らの役を託した。

 

物語の後半で出てくる自動車レースの垂れ幕「第七回ミッレミリア」の文字から、時代設定が1932年から翌年にかけてのことだと推測できる。つまりファシズム政権のただ中にあるのだが、ティッタを始めとする登場人物たちからは、恐怖政治に屈することのない人間らしいエネルギーが感じられ、それが「アマルコルド」の大きな魅力となっている。

 

本作で自身四度目のアカデミー外国語映画賞を獲得したフェリーニは、授賞式に際して「アマルコルド」の登場人物たちは世界のどこにでも息づいているとコメントしている。曰く、彼らは「心の中にある永遠の田舎」に住んでいるのだ。フェリーニのテーマ曲であるニーノ・ロータの音楽に耳を傾けながら、彼が描く「永遠の田舎」を体験してみてはいかがだろうか。

 

*『アマルコルド』のイマジカBSでのオンエア情報はこちら


フェリーニのアマルコルド [4Kレストア版]
Amarcord

1973年 イタリア=フランス
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:ブルーノ・ザニン/プペラ・マッジオ/アルマンド・ブランチャ/マガリ・ノエル

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