吹替偉人伝まつり

ドランク・モンキー 酔拳[吹替版]
6月29日(木)~7月28日(金)
毎週木曜・金曜よる21:00

『ドランク・モンキー 酔拳[吹替版]』ほか

6/29(木)~7/28(金)は「吹替偉人伝」超拡大版!

毎週金曜の大好評企画「吹替偉人伝」。テレビの洋画劇場全盛期に放送された懐かしの日本語吹替版を中心にラインナップ。映画の楽しみを教えてくれた“声”の名優、吹替の偉人たちに敬意を込めて、「吹替の名画」をお届けしてきました。
6/29(木)~7/28(金)は「吹替偉人伝」の超拡大版として、
毎週木曜・金曜に5週連続・合計26作品を放送します。
HD吹替版テレビ初放送の貴重作もあります。ぜひこの機会をお見逃しなく!

◆ このスターに、この声あり

羽佐間道夫=シルヴェスター・スタローン

  • ロッキー [吹替版]
    ブルーレイソフト未収録!
    1983年10月3日TBS系「月曜ロードショー」ノーカット吹替音源

    6月29日(木)21:00〜

    ロッキー [吹替版]

    1976年 アメリカ
    監督:ジョン・G・アヴィルドセン
    出演:シルヴェスター・スタローン(羽佐間道夫)/タリア・シャイア(松金よね子)

    シルヴェスター・スタローンを一躍スターダムに押し上げ、アメリカン・ドリームの代名詞として語り継がれる伝説の大ヒット作。羽佐間道夫による吹替版。

  • ロッキー2 [吹替版]
    ブルーレイソフト未収録!
    1984年10月8日TBS系「月曜ロードショー」ノーカット吹替音源

    6月29日(木)23:10~

    ロッキー2 [吹替版]

    1979年 アメリカ
    監督:シルヴェスター・スタローン
    出演:シルヴェスター・スタローン(羽佐間道夫)/タリア・シャイア(松金よね子)

    主演のシルヴェスター・スタローンが自らメガホンを取った続編。新妻の愛に支えられ、宿敵アポロと再びリングで闘うロッキーの姿を描く。羽佐間道夫による吹替版。

  • ロッキー3 [吹替版]

    6月29日(木)深夜1:20〜

    ロッキー3 [吹替版]

    1982年 アメリカ
    監督:シルヴェスター・スタローン
    出演:シルヴェスター・スタローン(羽佐間道夫)/タリア・シャイア(松金よね子)

    シルヴェスター・スタローンが不屈のボクサーを演じる人気シリーズ第3弾。ハングリー精神を失ったロッキーに強敵ボクサーが挑戦状を叩きつける。羽佐間道夫による吹替版。

  • ロッキー4/炎の友情 [吹替版]

    6月30日(金)21:00

    ロッキー4/炎の友情 [吹替版]

    1985年 アメリカ
    監督:シルヴェスター・スタローン
    出演:シルヴェスター・スタローン(羽佐間道夫)/タリア・シャイア(松金よね子)

    シルヴェスター・スタローンが不屈のボクサーを演じるシリーズ第4弾。親友となったアポロの命を奪ったボクサーに、ロッキーが仇討ち戦を挑む。羽佐間道夫による吹替版。

  • ロッキー5/最後のドラマ [吹替版]

    6月30日(金)22:40〜

    ロッキー5/最後のドラマ [吹替版]

    1990年 アメリカ
    監督:ジョン・G・アヴィルドセン
    出演:シルヴェスター・スタローン(羽佐間道夫)/タリア・シャイア(松金よね子)

    シルヴェスター・スタローン主演の名作シリーズ第5弾。現役引退を決意したロッキーが帰郷してトレーナーとなり、新人ボクサーを育てる姿を描く。羽佐間道夫による吹替版。

  • ロッキー・ザ・ファイナル [吹替版]

    6月30日(金)深夜0:30〜

    ロッキー・ザ・ファイナル [吹替版]

    2006年 アメリカ
    監督:シルヴェスター・スタローン
    出演:シルヴェスター・スタローン(羽佐間道夫)/バート・ヤング(富田耕生)

    シルヴェスター・スタローンが自らメガホンを取った完結編。ボクサーを引退したロッキーが再起を懸け現役チャンピオンに無謀な復帰戦を挑む。羽佐間道夫による吹替版。

佐々木功=シルヴェスター・スタローン

  • ランボー [吹替版]

    7月6日(木)21:00〜

    ランボー [吹替版]

    1982年 アメリカ
    監督:テッド・コッチェフ
    出演:シルヴェスター・スタローン(佐々木功)/リチャード・クレンナ(内田稔)

    シルヴェスター・スタローンがベトナム帰還兵に扮するアクション・シリーズ1作目。小さな田舎町で帰還兵のランボーと警官が死闘を繰り広げる。佐々木功による吹替版。

  • ランボー/怒りの脱出 [吹替版]

    7月6日(木)22:45〜

    ランボー/怒りの脱出 [吹替版]

    1985年 アメリカ
    監督:ジョルジ・パン・コスマトス
    出演:シルヴェスター・スタローン(佐々木功)/リチャード・クレンナ(内田稔)

    シルヴェスター・スタローン主演のアクション映画『ランボー』の続編。情報収集のため敵地に乗り込むランボーの活躍を描く。佐々木功による吹替版。

  • ランボー3/怒りのアフガン [吹替版]

    7月6日(木)深夜0:30〜

    ランボー3/怒りのアフガン [吹替版]

    1988年 アメリカ
    監督:ピーター・マクドナルド
    出演:シルヴェスター・スタローン(佐々木功)/リチャード・クレンナ(内田稔)

    シルヴェスター・スタローンの代表作『ランボー』シリーズの第3弾。ソビエト軍最強師団に捕らえられた元上官を救うため戦うランボーの姿を描く。佐々木功による吹替版。

石丸博也=ジャッキー・チェン

  • ドランク・モンキー 酔拳 [吹替版]
    「石丸博也×小松方正」
    日本版主題歌『拳法混乱(カンフュージョン)』収録のゴールデン洋画劇場版

    7月7日(金)21:00~

    ドランク・モンキー 酔拳 [吹替版]

    1978年 香港
    監督:ユエン・ウーピン
    出演:ジャッキー・チェン(石丸博也)/ユエン・シャオティエン(小松方正)

    酔えば酔うほど強くなる妙闘技“酔八拳”を描いたアクション映画。ユエン・ウーピンが監督・アクション指導を務め、ジャッキー・チェンが主演。石丸博也による吹替版。

[特別企画]
『ドランク・モンキー 酔拳[吹替版]』では、副音声にて「石丸博也×とり・みき」新規録りおろしオーディオコメンタリーをお楽しみいただけます。
石丸博也による伝説の吹替版は、こうして生まれた!

左:石丸博也
右:とり・みき

  • スネーキーモンキー 蛇拳[吹替版]
    「石丸博也×小松方正」
    ゴールデン洋画劇場版

    7月7日(金)22:45〜

    スネーキーモンキー 蛇拳[吹替版]

    1978年 香港
    監督:ユエン・ウーピン
    出演:ジャッキー・チェン(石丸博也)/ユエン・シャオティエン(小松方正)

    ジャッキー・チェンが手を蛇のように動かすスネーキー拳法を使って活躍するクンフー映画の傑作。アクション監督ユエン・ウーピンがメガホンを執る。石丸博也による吹替版。

磯部勉=ロボコップ

  • ロボコップ(1987) [吹替版]

    7月13日(木)21:00〜

    ロボコップ(1987) [吹替版]

    1987年 アメリカ
    監督:ポール・ヴァーホーヴェン
    出演:ピーター・ウェラー(磯部勉)/ナンシー・アレン(小宮和枝)

    殉職した警官が“ロボコップ”としてよみがえり熾烈な戦いを繰り広げるSFバイオレンス・アクション。監督はポール・ヴァーホーヴェン。磯部勉による吹替版。

  • ロボコップ2 [吹替版]

    7月13日(木)22:40〜

    ロボコップ2 [吹替版]

    1990年 アメリカ
    監督:アーヴィン・カーシュナー
    出演:ピーター・ウェラー(磯部勉)/ナンシー・アレン(小宮和枝)

    半分人間、半分機械の警官“ロボコップ”の活躍を描くSFアクション第2弾。ロボコップと新たに開発されたロボコップ2号の死闘を描く。磯部勉による吹替版。

  • ロボコップ3 [吹替版]

    7月13日(木)深夜0:20〜

    ロボコップ3 [吹替版]

    1993年 アメリカ
    監督:フレッド・デッカー
    出演:ロバート・バーク(磯部勉)/ナンシー・アレン(小宮和枝)

    近未来のデトロイトを舞台に、驚異的な能力を持つサイボーグ警官“ロボコップ”の活躍を描くSFアクションの第3弾。ロバート・バーク主演。磯部勉による吹替版。

大塚周夫=チャールズ・ブロンソン

  • 狼の挽歌 [吹替版]
    HD吹替版テレビ初放送!

    7月14日(金)21:00〜

    狼の挽歌 [吹替版]

    1970年 イタリア
    監督:セルジオ・ソリーマ
    出演:チャールズ・ブロンソン(大塚周夫)/ジル・アイアランド(弥永和子)

    男気あふれる魅力の人気スター、チャールズ・ブロンソンの代表作。愛する女性に翻弄される一匹狼の殺し屋を描いたハードボイルド・アクション。大塚周夫による吹替版。

山田康雄=クリント・イーストウッド

  • 戦略大作戦 [吹替版]

    7月14日(金)23:00〜

    戦略大作戦 [吹替版]

    1970年 アメリカ
    監督:ブライアン・G・ハットン
    出演:クリント・イーストウッド(山田康雄)/テリー・サヴァラス(大平透)

    クリント・イーストウッド主演。第二次大戦下のフランスで無頼の米軍小隊が繰り広げる金塊強奪作戦を、過激なギャグとアクション満載で描く。山田康雄による吹替版。

◆ 吹替でコメディはもっと面白くなる

  • モンティ・パイソン・アンド・ナウ[懐かし吹替版]

    7月20日(木)21:00〜

    モンティ・パイソン・アンド・ナウ[懐かし吹替版]

    1971年 イギリス
    監督:イアン・マクノートン/テリー・ギリアム
    出演:グレアム・チャップマン(山田康雄)/ジョン・クリーズ(納谷悟朗)

    TV番組『空飛ぶモンティ・パイソン』で放送された傑作コントを撮り直した作品。現代の狂気や人間の愚さをシュールなギャグで表現。山田康雄による懐かしの吹替版。

  • バッドボーイズ [吹替版]

    7月20日(木)22:40〜

    バッドボーイズ [吹替版]

    1995年 アメリカ
    監督:マイケル・ベイ
    出演:マーティン・ローレンス(山寺宏一)/ウィル・スミス(菅原正志)

    『トップガン』『ビバリーヒルズ・コップ』を生んだスタッフが結集。ウィル・スミス、マーティン・ローレンス主演の大ヒットアクション・ムービー。山寺宏一による吹替版。

  • バッドボーイズ2バッド [吹替版]

    7月20日(木)深夜0:50〜

    バッドボーイズ2バッド [吹替版]

    2003年 アメリカ
    監督:マイケル・ベイ
    出演:マーティン・ローレンス(山寺宏一)/ウィル・スミス(菅原正志)

    ウィル・スミスとマーティン・ローレンス共演の『バッドボーイズ』の続編。マイアミ市警の敏腕刑事コンビ、マイクとマーカスが再び大暴れをする。山寺宏一による吹替版。

◆ 字幕より怖い!? 吹替ホラー

  • キャリー(1976) [吹替版]

    7月21日(金)21:00〜

    キャリー(1976) [吹替版]

    1976年 アメリカ
    監督:ブライアン・デ・パルマ
    出演:シシー・スペイセク(潘恵子)/パイパー・ローリー(里見京子)

    ホラーの帝王スティーヴン・キングの小説を映画化。虐げられてきた女子高生が怒りを引き金に起こす惨劇を描いた名作ホラー・サスペンス。潘恵子による吹替版。

  • サスペリア [吹替版]
    HD吹替版テレビ初放送!

    7月21日(金)22:45〜

    サスペリア [吹替版]

    1977年 イタリア
    監督:ダリオ・アルジェント
    出演:ジェシカ・ハーパー(岡本茉利)/アリダ・ヴァリ(高橋和枝)

    ダリオ・アルジェントを一躍イタリアン・ホラーの巨匠へと押し上げた代表作。ドイツのバレエ学校に入学した少女を襲う恐怖を描く。岡本茉利による吹替版。

  • 暗闇にベルが鳴る [吹替版]
    HD吹替版テレビ初放送!

    7月21日(金)深夜0:30〜

    暗闇にベルが鳴る [吹替版]

    1974年 カナダ
    監督:ボブ・クラーク
    出演:オリヴィア・ハッセー(岡本茉利)/ケア・デュリア(堀勝之祐)

    オリヴィア・ハッセー主演のミステリー・サスペンス。女子学生寮に忍び込んだ影なき殺人鬼による連続殺人事件をホラーテイストで描く。岡本茉利による吹替版。

◆ 開幕!吹替オールスター

<偉人編>

  • 荒野の七人 [吹替版]

    7月27日(木)21:00〜

    荒野の七人 [吹替版]

    1960年 アメリカ
    監督:ジョン・スタージェス
    出演:ユル・ブリンナー(小林修)/スティーヴ・マックィーン(内海賢二)

    黒澤明の『七人の侍』をユル・ブリンナーら豪華キャストで西部劇化。メキシコ寒村で野盗に怯える村人を救うべく七人の凄腕ガンマンが結集する。小林修による吹替版。

  • トラ・トラ・トラ! [吹替版]

    7月27日(木)23:15〜

    トラ・トラ・トラ! [吹替版]

    1970年 アメリカ=日本
    監督:リチャード・フライシャー/舛田利雄/深作欣二
    出演:マーティン・バルサム(久松保夫)/山村聡

    1941年、日本海軍による真珠湾攻撃にいたる日本とアメリカ両国の動きを、日米合同スタッフ・キャストで制作された戦争映画。久松保夫による吹替版。

<達人編>

  • ワールド・ウォー Z[吹替版]

    7月28日(金)21:00〜

    ワールド・ウォー Z[吹替版]

    2013年 アメリカ
    監督:マーク・フォースター
    出演:ブラッド・ピット(堀内賢雄)/ミレイユ・イーノス(篠原涼子)

    ブラッド・ピットが主演と製作を兼任したアクション大作。謎のウィルスが爆発的に拡大し、人類滅亡の危機に立たされる様を壮大なスケールで描く。堀内賢雄による吹替版。

  • プライベート・ライアン [吹替版]

    7月28日(金)23:15〜

    プライベート・ライアン [吹替版]

    1998年 アメリカ
    監督:スティーヴン・スピルバーグ
    出演:トム・ハンクス(江原正士)/トム・サイズモア(塩屋浩三)

    スティーヴン・スピルバーグ監督が贈る戦争ドラマの傑作。第二次世界大戦の最中、ある過酷な任務に挑んだ兵士たちの運命を描く。江原正士による吹替版。

吹替え解体新書
「吹替偉人伝まつり」はココに注目!

◆このスターに、この声あり
「このスターといえば、この声」という声優のフィックス制度がはっきりと打ち出されるようになったのは、1966年に放送を開始した日曜洋画劇場(開始当初は土曜洋画劇場)からと言われている。地上波各局で洋画の定期放送枠が登場し、テレビ局と音響演出家や吹替制作会社の間でフィックス声優を決め、それに従ったキャスティングがされるようになった。各局は洋画劇場でもしのぎを削り、他局をライバル視していたため、「他局はあのスターに誰々をフィックスにしているから、ウチは敢えて別の声優にしよう」といった場合も多々あった。
一方で、あまりにフィックスとしてハマっていたため、局の垣根を超えてどの洋画劇場でも必ず配役される声優もいた。チャールトン・ヘストンの納谷悟朗、オードリー・ヘプバーンの池田昌子などなど…。現在、そのケースに最も当てはまるのは、ジャッキー・チェンの声を担当した石丸博也である。テレビ放送版はもちろん、ビデオ用の吹替版でもほぼ全作品で声を担当しており、まさに“フィックス中のフィックス”といえる。
石丸博也が最初にジャッキーの声を担当したのは、ゴールデン洋画劇場で1981年1月16日に放送された『ドランク・モンキー 酔拳』。その後の作品でも声を担当しつづけ、ジャッキー本人からも公認をもらっている。石丸の少し甲高く軽妙な口調は、ジャッキーの演じる天真爛漫なキャラクターと見事にシンクロし、日本中のお茶の間で愛された。
独特のダミ声と感情を抑えた演技がハマったのは、大塚周夫=チャールズ・ブロンソンだ。ブロンソンは喋る前に口を一度開くクセがあり、「パッ」とリップ音が軽く出る。大塚は吹替でもその特徴を忠実に再現し、見事なまでにブロンソンとシンクロしている。
俳優本人と声色が似ていなくても、フィックス声優となる例もある。山田康雄=クリント・イーストウッドはその代表例であろう。イーストウッド本人に比べて軽妙さのある山田の声は、単純なタフガイというだけはない魅力をキャラクターに与えている。『ロッキー』の羽佐間道夫も、その例と言える。本来、シルヴェスター・スタローンの地声は、口やあごの形も似ているささきいさお(佐々木功)の方が近い。しかし、『ロッキー』というキャラクターには、羽佐間道夫が見事にハマった。1983年10月6日、月曜ロードショーで初放送された『ロッキー』。私たちは、羽佐間の魂のこもった演技に、ロッキー・バルボアという男の人生を見たのである。

◆吹替でコメディはもっと面白くなる / 字幕より怖い!?吹替ホラー
“笑い”や“ギャグ”は、文化の違いなどもあり、単にそのまま翻訳しても日本人には伝わらないものも多い。コメディに関しては、吹替版では、脚本家、ときには脚色家も交えて、日本人に分かりやすい味付けをした台本を演出家が料理し、声優が演じてきた。日本独自のギャグも、声優のテンションが加わる吹替版では、場合によっては本来の作品のポテンシャルを大きく超えることすらある。天才声優・広川太一郎による「広川節」「広川流アドリブ」は、吹替版でしか味わうことのできない笑いの世界を私たちに見せてくれた。
『モンティ・パイソン・アンド・ナウ』は、ご存じ英国のコメディ集団モンティ・パイソンの傑作スケッチを集めてリメイクした劇場用作品。エリック・アイドル作のスケッチ「ナッジ・ナッジ」を訳した広川太一郎の「このお、ちょんちょん!」は、吹替の力を存分に発揮した抱腹絶倒の傑作だ。
『バッドボーイズ』『バッドボーイズ2バッド』は、マーティン・ローレンスとウィル・スミスの警官コンビが大活躍するアクション・コメディ。黒人俳優2人のマシンガントークを字幕で表現するのは困難だが、吹替版であれば、山寺宏一と菅原正志による原語に負けないスピーディな会話の応酬を楽しむことができる。
画面から目が離せないホラー作品も、吹替であればじっくり画面に集中できる利点がある。『サスペリア』でジェシカ・ハーパーをあてた岡本茉利は、アニメ『いなかっぺ大将』の大柿キク子や『ヤッターマン』のアイちゃんなど、天真爛漫な女ヒロインで知られる声優だが、『サスペリア』では、はかなくも色気のある演技を見せる。アニメでは聴くことのできない彼女の声の魅力を味わえる必聴の一本だ。

◆開幕!吹替オールスター
『荒野の七人』『トラ・トラ・トラ!』は、映画のオースター・キャストに応えるべく、声優も演技派がぞろりと配役された。注目したいのは、『荒野の七人』でスティーヴ・マックィーン、『トラ・トラ・トラ!』でキース・アンデスをあてた内海賢二だ。『荒野の七人』では若きマックィーンを溌剌と演じているのに対し、『トラ・トラ・トラ!』では、脇役という立場を意識して、敢えて抑えた演技で主役を引き立てる。声優の名演技がしっかりと作品に溶け込み、映画に登場する俳優たちの演技を違和感なく日本語で鑑賞することができるのである。『トラ・トラ・トラ!』では、島田正吾の声をあてた小林清志も必聴だ。日本人の役者を日本人声優があてた稀有な例だが、島田本人の喋りの特徴を実によく掴んでいて、かなり本人に似ている。
『ワールド・ウォーZ』では、シリアスなブラッド・ピットの演技に定評のある堀内賢雄は勿論だが、脇役にも注目していただきたい。磯部勉、玄田哲章、大塚周夫、若本規夫ら「吹替偉人伝」ではお馴染みの名声優が豪華にキャスティングされており、ドラマに厚みを加えているのだ。
『プライベート・ライアン』の江原正士=トム・ハンクスは、近年を代表するフィックス声優であろう。口調や声質を限りなく近づけたうえでの江原の台詞まわしが、“演技派”トム・ハンクスとシンクロし、まるで本人が日本語を喋っているかのような印象すら与える。
これらの作品では“吹替版”の底力を存分にご堪能いただけるはずである。


文=Siringo


Siringo【プロフィール】
幼少期よりTVで多くの洋画を鑑賞し吹替の魅力にとりつかれる。'02年より株式会社フィールドワークスでソフト制作業務を担当。独自の吹替探索ルートにより、失われた吹替版を多数復刻。「吹替偉人伝」シリーズにも協力。現在までに関わった吹替収録ソフト、放送用の吹替版素材は100作品を超える。